[:Runnin'/プテラノドン
 
て、お構いなしに、
車を運転していても、
ラジオからまんま冬のオベラが流れ出す。
この上なく夜空が、
澄み渡っていたからか。
それ自体は沈黙しているだけの、
孤独な星が発する
沈黙の周波数と合ったばっかりに。
全くもって油断ならない。冬って季節は。
ラジオもろとも凍えてしまいそう。
ガラスを爪で引っかくような
甲高い声!といったら、
もう!

〈天気予報〉或は〈誰かのお天気話 〉
その通りに、雪が降りだそうとしているし、
ヒーターはぶっ壊れたまま復調の兆しなし。
で、吐く息は赤ちゃんのオムツより白い。
−つまり、ションベンもれそうだ!

そうじゃくても、結局のところは
魂の営みが溶かしちまう。
象徴すると同時に、焼失するのだ。冬は。
いつだって本気とまではいかないにしても、
たとえば、一緒に軽井沢へ行けたらとか、
君のことを考えてしまう瞬間が、
あるせいだな。
戻る   Point(1)