「風花、みぞれ煮ぼたん鍋」/mizu K
【短歌八首】「風花、みぞれ煮ぼたん鍋」
猪を狩りて山の慟哭 ねずの空から 風花、みぞれ煮ぼたん鍋
かつをがマクドナルドに行きたしと言ひ 釣ざおかつぎてバケツさげ
赤くまたたく 夜空の飛行機 明けを研ぐ 放射冷却のこども
朝日に透かす金色の 麦踏みあとの霜柱 ざくざくと踏む
マフラァでふわふわり 夢みるをとめの 寝床は樹海の枝の先
おしりがないと所在なくしてくるくるするカフェのスツール 繰り言
コオトのポッケで手つないでおあついの 行き先刑務所 あれ手錠
キリギリスたちの夜 あわあわとして カプチーノの泡先のベンズ*
*縫美千代さんへのオマージュ
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