雪の朝/LEO
 
遅く迎えた朝に
雲間から覗く空は
アイスブルーの明るさで
粉雪を落としていた
そのひとひらが
頬をすべり
手のひらにとける
捕らわれた夢から
抜け出せないままの体を
目覚めさす冷たさ

微かに
雪の重なる音だけがして
モノクロームの
無声映画を
見ているようだった
決して止ることない
時間の中で
いまこの時この場所だけが
切り離されたようにさえ
思えてしまう

 夢はいつもかなしい
 かなしいから
 やさしさをたずねる

降り止まぬ雪で
足跡はすぐに消えると
知りつつも
ひと足、ふた足、
まっさらな雪の原に
跡をつける

昨日までと違う
真新しい世界を目にして喜ぶ
子供のようだと
足先が悴むころに気づいて
ふっと可笑しくなって
すこし笑った
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