線/相良ゆう
 
歴史はY軸のように縦に貫く一本の線で
時代はX軸のように横に伸びる一本の線で

人は歴史と時代の交差する座標点で
命は座標点と座標点をつなぐ一本の線で
絆は命の線がたくさん集まってできた一本の線で

別離は一本だった線が二本になることで
逢瀬は二本だった線が一本になることで

生誕は新しい一本の線を書き足すことで
終焉は新しい一本の線に次代を委ねることで
消滅は線が無くなってしまうこと

個は細く短い一本の線で
公は太く長い一本の線で

個は座標に命という線を刻み
公は座標に歴史という線を貫く
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