明日みる光/水町綜助
百人が頭を垂れ
ひと部屋を虫食い
穴を開けつづける
開いたところから
次々
空が透けてゆき
部屋に草木(そうもく)の
匂いが立ちこめる
僕はその末席に
すわっている
亜熱帯
にわかあめに
塗れるように
嗅いで
通路が一本
百頭を分け
屋外の
渡り廊下へと繋がる
つながり行く先に
七つ季節が
風車くらいには速く
いきしにを繰り返している
そんな影絵が見えて
僕は右目が痛い
瞼の裏
そのさして深くもない
いつも暗いところ
その中でワイヤが張られている
何の為かもわからずに
張られ
痛く
ぶれて
それは右半身に
波打ってゆき
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