雪夜の約束/智哉
 
闇に溶けない夜が来た
冷めたコーヒーに浮かぶクリープが
あなたのスプーンで混ぜられたように
少しだけ溶けた雪をタイヤが踏んで往く

ここから二つ山を越えた街のはずれの山の上に住むあなた
もしも
この思いがけず一瞬にして深く積もった雪にも
思いがけず増えた私の体重にも体脂肪にも
思いがけず出来た私の新しい恋人にも

もしもめげずに山を越えて来たら

約束します
今度こそ私は理性の一線を越えましょう

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