ケータイ小説の岸辺で/小川 葉
 
まれ
訪れる夜は
終わらない

示された現実を
自らの証として
世界に生きる

やがてそれは
空を覆いつくし
人々の声をなくす



4.未来

私は書く
扉の向こうから
呼ぶ声が聞こえる

夜に栞をさしこんで
訪れる朝の光に
触れてみる

示すべき未来を
自らの命として
世界に生きる

やがてそれは
鮮やかさを増して
私たちに声を与える
 
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