明後日の君と今日の僕/純太
 


愛しさを連れて 君と湯町
乾いた太陽の熱が嫉妬を増幅させる
君の唇から小さな白い吐息と湯けむり

悲しまざるは僕と石畳
君の足が時計の針
昨日の僕が明後日を招く

海が見える窓ガラスに映る山の樹の傍で
一台の50ccのバイクは夕焼けを運ぶ

煌めく薄オレンジ色の海中に漂う
君の喉に夜を
エロチックな緑茶が

浴衣から伸びる君の足が都会ではない
もう柔肌と酒は
微笑に揺られて眠った

ナツメ球の灯りと君が心地いい拷問
煙草は窓からそよぐ微風で灯台になって
確かに ここにいるのは僕で

ただ航路を進む
僕の後ろで無数の泡が雲
漂う模様が

空に

空に眠る


身体をくの字にすると
上半身が朝の海に潜った
目の前で太陽の絵を描いたカモメ

腕がフルートになってこそ男!
どうかその時まで
その時に君の指の温かさを奏でたい

明後日の君と今日の僕が
これ以上離れないよう
帰る先の靄の街で祈ろう
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