私は読む/
小川 葉
私は読む
本の向こうから
呼ぶ声が聞こえる
空に栞がさしこまれ
訪れる夜も
失うことなく
示された意味を
自らの言葉として
世界に生きる
やがてそれは
鮮やかさを増して
私たちの声とわかる
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