かげ いつつ/アハウ
 
一体の まぎれもない人の体
アスファルトに冬の南中 
影 長く
四肢を伸ばせる 人体の影

いつつ

直立している
接地された足
影は添う その歩行に

しかし 影 いつつ

影から影へ
遠き印度の神々の姿 宿り

風が吹く気配に
踊る 踊る 影 影

インドラ アグニ ヴァーユ

歩くそばから 零れ落ちる 金粉
歩行が踊る
足首に銀の鈴 鳴る
シャン シャン シャン
踊る歩行 
風を巻き起こし

一体の神人に

かげ いつつ


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