やさしさ、かしこさ、おもいやりなど/塩水和音
そもそも測られる「能力」というものそれ自体、評価の対象自体に、社会的背景や個人の好み=恣意性が介在します。
はるか昔は「肉体の強さ」だけが「能力」=測られるものであり、「知性」などは「存在しなかった」でしょう。
現代では、何が「知性」とみなされるかも、個人の経験や好みに影響されます。自分と相容れない意見を許容する度量を持っているのがアタマが良いということなのだと言う人がいれば、倫理的に高潔であることが本当の知性だと言う人もいる。
その意味で普遍の才能や普遍の知性といったものは存在しません。「才能」や「知性」は計測、評価の結果であり、また、評価の基準や方法に普遍なものはないからです。
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