変遷/※
ていたのか、それともこちらが見下ろしていたのか
分からない、けれども座っていたのは私
確かに、私だった
六月二十六日、またひとつ、歳を重ねて
向かいのゴミ置き場、今日も私が私を装っている
近所のおばさんの気配を察し、途端に飛び退き走り去る背中は
角の、電柱との隙間に吸い込まれた、刹那
響いた、私の視線を鷲掴みにしたまま、今度は何を鷲掴みにして
持ち去った、どこへ
六月二十七日、今日は昨日の出来事を綴る
あれからパジャマのまま駆け出した風の中、もう排気音は遠く
アスファルトに滲み、洗い流され行く涙は
不器用に連なった斑点、羊膜を纏ったガードレールを乗り越え
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