終わりに着いたねと君は言った/Utakata
陸地がだんだんと溶けていってしまったので
今はもう 小学校の運動場ほどの大地
そして水平線
終わりに着いたんだね、と君は言う
*
運動場ほどの大地
たぶん
子供のころにずっと踏みしめていたものと同じはずの
乾いた土
窓際の席で窓硝子越しに眺めていた
(はずの)
一輪車と石灰の粉とホームベースと
大縄とゴールネットと真夏の影があった
(はずの)
同じもののはずだった
埃のような細かな
乾いた土
ただ一つだけ
子供の頃が何なのか もう憶えていないだけのことだった
君は首を振
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