「floor」/菊尾
 
未遂なら終われない
揺るがない覆されないなら
きっかけを過失にして
なし崩し的に削ぎ落とすから

君が楽しむそれは
想像造形の箱庭
若葉で埋めた奥底の小さな鍵穴
その先にある場所に隠れて
一人で世界を創造している

六角形の部屋で
三日月が僕を床に刷り込まれた
背が傾く窓枠の影と一緒に倒れこむ
板張りの床
椅子が倒れずに二度三度揺れていた

言う事は聞いているから
あまり気に病まなくていい
何もしなくていいから
見届けてくれ

突き抜ける雨
浸み込んで裏側に降り注ぐ
流転して行く胸中
嫌になるのは
比較対象が優れているからだろう


君は近くに居たらいい
いつでも忘れられるのだから
そうなるまでは
近くに居たらいい

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