本棚/
さち
心の中の本棚に
私小説が増えてゆく
主人公は
いつも不器用で
哀しいほど
いつもみっともない
誰が読んでくれるでもなく
ただ
収められてゆく
落胆のため息とともに
それは涙の数と等しく
涙ほど新鮮でもなく
古ぼけて乾いた記憶として
仕方のない重みとして
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