猶予期間/ポッケ
 
爪先のパールピンクから鳴る音を聞いてみたくてそっと指置く


漆黒の百合のような髪揺らしマークシートを塗っているひと


途中なら何色とでも言えるから回し続けるグローブジャングル


五線譜を気の済むまでいくらでも街路樹の枝に配ってまわる


ビー玉の地球は青く日に透けて魚の泡を閉じこめていた


ひとふたりただ重なった一瞬に薄黄緑のゆびを見つける


砂浜から白紙の上に来たとたん裸になった小さなヤドカリ






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