『冷たい夜』/東雲 李葉
誰もいない月の下
息を潜めて
泣きだす声をかみ殺す
遠く聞こえる喧騒を
無関心にやりすごして
夜の街にひとり迷う
君はどこにいる?
僕はどこにいる?
帰る場所が無いんだ
君の名前が欲しい
足りないぬくもりを
補う何かが 欲しい
忘れた痛みが
隠してた古傷が
疼きだした寒い夜
嘘を吐いてた今までが
おし殺してきたさみしさが
街の明かりに照らされる
明日になったら
君に会える?
帰る家が無いんだ
君の名前が ぬくもりが
帰るお家が 君のお隣が
欲しいよ 欲しいよ
もうすぐ日付が変わりそう
公園に佇む さびれた
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