たま/もこもこわたあめ
 
小さな書道家の
書道家のような事をしたい演劇好きのジェームスは背格好には大き目の
和室には不釣合いな本皮製ブラックの「作業着」に着られて立っている

閉じられた目の奥ではどんな風景が流れているのだろう
ミュージカルか 否 故郷ハリウッドのS.スピルバーグ映画か
その脇にはこれまたジェームスとは不釣合いな一匹の地味なぶち猫タマ

少し 否 かなりズレタ書道家(好きの?)ジェームス

しかし(とことことことこ)
小さな書道家ジェームスの立ち姿はそれなりに様になっていて
独特の緊張感をまとってそこに存在している

突如開かれた目には一点を見据えるまなざし
そのまなざしはどん
[次のページ]
戻る   Point(0)