大鷲/いまじん
 
大鷲はじっと期の枝からその眼光を光らせていた
鋭い爪で巨漢の体躯をささえながら
地上に広がるなにものも彼の眼からは見通せた
大いなる羽は彼の冠のごとく
あらゆるものから彼を際立たせていた

風の心を彼は聞いた
日の暖かさを彼は感じた
この大空の語らんとするところを
彼は鼓動のうちに聴くことができた

彼はその孤独な心に
この世の森羅万象を映していた
虫は地を這い
木々は土よりいずる
鹿草を食み
猿は枝を渡り歩く

大鷲は眼光を光らせ
思念は時と天空をさまよう
選ばれたること
生まれもつ宝玉を抱えている孤独は
風雪となり額に印を刻み
彼を偉大に美しくする

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