やけど/小川 葉
ストーブのぬくもりを
あなたのやさしさと勘違いして
思わず抱きしめた夜
あたしの胸は
焼けただれて溶けて
あなたの一部分になることを
喜びとした
時には灯油がきれた
冷たいストーブを抱きしめることで
あなたをあたためていると
勘違いした夜もあった
そんな日々が懐かしい
同窓会の帰り
あなたはやけどの跡を
見せてくれた
あたしの十七歳の胸のかたちをした
青い傷跡
そしてあなたは
本物のストーブになって
あたしを本当にやけどさせた
少し朽ちはじめた
大人の男女のかたちが
二人にはあたらしく
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