夕景/松本 涼
 

太陽の先っぽで
ひとつの影が泣く



拭い切れない泥濘に
怯むことに怯む半分と


混じり気のない
夕景の旋律に
委ねてしまえる半分と



けれど太陽が映す
その影はひとつ



涙の意味など
知る術もない


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