東北への旅 初夏の風/狩心
すれ違う為に生きてきたのか
言葉を重ねながら
体を重ねながら
折り紙の練習をしていた
焼き付いた肌
使わなくなった鍵は
給料袋の中に閉じ込めたままだ
全てを拒絶していた
その度に叫んだ
青白い光が血管の中に見えた
息を吸うとアルコールの匂いがした
意識を失う為に生きてきたのか
城はまだ原野に立っているか
鬼人の如く
柔らかい雲に跪きながら
鋭い肌が植物に話しかける
お前達はこの大地に何時から根を下ろしている
夜には肩を窄めて
昼には外貨を撒き散らしながら
陰と陽を一致させる為に生きてきたのか
語るまでもない事柄が
口の中で弾け飛ぶ
魑魅魍
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