ホイットニーがんばれ/鴫澤初音
 
車を通り過ぎ、
バックミラーで姿を追うとなんと後ろからもブルマが見える。
ふたりをせせら笑うかのようにミニスカートの下で見え、隠れ。
 
 「くゥ」
 「何たるミニだ!(苛立ちながら)」
 「白が見たい」
 「白が見たい」

次々と通り過ぎていく自転車。駆け上がっていく女子高生たち。
100人過ぎる。200人過ぎる。ことごとく紺、紺である。

 「こうなってくるとくじ引きみたいだね」
 「運試しといこうじゃないか」

物事を捉えなおすと楽しくなるとはこういうことだ。
300人が過ぎた。もう一時間である。
レンタカーの練習もせずに、
返しにいく時間が迫る。
女子高生はいまだにだれも、
ふたりの視線に気づかない。
私はさっきからコンビニの隅で立ち読みをしながら
ふたりを観察しているのだが、
残念そうにエンジンをふかし始めるふたりを見て
階段の下へと走り、
階段を駆け上がる。
スカートが踊る。
もちろん、
純白である。

戻る   Point(2)