狂ってなんかいないよ、君は僕だもの。/朽木 裕
 
ながら俺は誰かに固執したりしないので
一緒にいるってことはセイが一緒にいてくれてるんだろう。

こいつは俺にない感情を沢山持ってる。
泣いたり悲しんだり忙しいことこの上ない。
しかしながら分析してみることには
こいつは怒ったりしない。
理不尽な教師にムカついたり愚痴ったり嘆いたりしない。
俺がどんだけ腹立つことをしでかそうと
こいつだけには通じない。
例えばだ。100人に試して100人が怒ることだとしても
こいつにかかりゃ、のれんに腕押し、糠に釘。
これ、使い方あってるか?

だから俺たち一緒にいるんかな。

ぼうっと思って
狂ってなんかいねーって、って呟いた。

「ん?」

「セイ、お前は狂ってなんかいない」









だってお前は俺だから。
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