おまあじゅ/THANDER BIRD
 

背中に、誰かの人差し指がいつもくっついている男


言葉はいつも真っ白だった だから
無視されている言葉をかわいそうに思って
えんぴつは黒く塗ってあげた
ただそれだけのことだった


人間と呼ばれる「救世主」が
「トイレットペーパーの穴越しに
新しい世界が見える」

私の鼻の穴の中を覗きながら言った


そして何かが、何かが不意に
私の手を動かした、
「music is water
water is universe」


えんぴつよ、これは逃げ出した言葉の一つか?
そう聞くと、えんぴつは無言のまま家に帰っていった
翌日朝刊で首吊り自殺をして
[次のページ]
戻る   Point(5)