おまあじゅ/THANDER BIRD
女
背中に、誰かの人差し指がいつもくっついている男
言葉はいつも真っ白だった だから
無視されている言葉をかわいそうに思って
えんぴつは黒く塗ってあげた
ただそれだけのことだった
人間と呼ばれる「救世主」が
「トイレットペーパーの穴越しに
新しい世界が見える」
と
私の鼻の穴の中を覗きながら言った
そして何かが、何かが不意に
私の手を動かした、
「music is water
water is universe」
えんぴつよ、これは逃げ出した言葉の一つか?
そう聞くと、えんぴつは無言のまま家に帰っていった
翌日朝刊で首吊り自殺をして
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