プリズムホワイト/
松本 涼
水の中に両手を
そっと差し入れ
泳ぐ魚の影を
そのくねりを
掬ってみたいと
思うのです
光と私はいつでも
とても遠い場所で
落ち合うけれど
必ずまた会えることを
知っています
あなたに貸した
本のことなど
どうでも
それはただの
モノなのです
いま
夜を曲がったのが
朝へと連なる
風なのか
それとも先走る
私の旋律だったのか
少し気になります
けれど
私にとっては
ちょうどよく
冬です
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