もし、子供が生まれたら「ハム太郎」と名前をつけたい/青木龍一郎
息子の彼女を奪いたい。
ハム太郎が社会で揉まれて
人間的に成長して
本当に綺麗で
本当に大切な人を連れてきたとき
僕はハム太郎にただ一言
「おめでとう」と言ってあげたい。
本当の本当に心の底から祝福してあげたい。
きっと泣くと思うけど
狂った素振りで紛らわせる。
でも、きっとハム太郎には
「お父さん、泣きながら奇声上げてクルクル走り回ってるよ」
とバレちゃうんだろうなあ…。
そして、春に死にたい。
僕が死ぬとき はじめて 僕が詩をかいてることを教えたい。
病院のベッドの上で、大人になったハム太郎と桜を見ながら
素敵な詩を詠んで聞かせてあげたい。
それは、笑いを誘うような面白い詩がいい。
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