タクシーをつかまえて/よしおかさくら
 
タクシーをつかまえて
光の街を走って行く
対向車のライトも
ぼやけて通り過ぎる
車の
屋根に
窓に
雨粒の落ちる音が
軽はずみに続く
水しぶき跳ね上がる音に
ひとりごとのような
寂しさはない
伝えきれないまま
消えてしまうような
想いはない

タクシーをつかまえて
光の街を走り去る
このままどこまでも
走って 走って
どこまでも
走って 走って
行こう
戻る   Point(1)