心の悲/
草野大悟
幸せが側に来ると
男は
おびえて
目を背けた
いままで
幸せなどというものを
見たことのなかった
男の目に
それは
あまりに
まぶしすぎた
男が
幸せから
目をそらし続けているうちに
幸せは
そっと
青空に
とけてしまった
ーーーーー美知子がそばで眠っている
夜の十一時
戻る
編
削
Point
(6)