猫といっしょ。/鯨 勇魚
にゃん!という眼差しがあって、それがあたしを抜け出してしまうと、魚でいられなくて、その状態を「おやすみ」と呼ぶしかないのです。お月様って、あのシロクマって。あたしって。寒い訳でもなくて、体を動かす事が出来きないままでいます。それならば、あたしのこの状態も「おしまい」と呼べるのでしょうか。それともあたしも別の形で「死」を迎える時がくるの、かしら。そもそも、あたし。シャム猫のように、にゃん!って鳴けただろうか。
ブランケットで包んだ。
あのシャム猫の、ずっと、
おやすみなさいの中で。
眼球から覗き込んで向こう側。
曇った硝子窓の向こう。
シャム猫を水煮にしようか。
悩んでみたり。するのです。
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