猫といっしょ。/鯨 勇魚
 
、きらきら。
かき集めて、全部欲しいわがまま。
鍾乳の、しずく。を、指先で触れると、
細やかなシャム猫の記憶に、
入り込みたい気持ちが抑えられない、
幼いのかな。

そんな夢を見たいから、
見開き、目の前の硝子、
結晶群を除けるようにすると、あっという間で。
たちまち息を飲むような、ね。
美しい景色が胸元に飛びこんでくる。

(星を降らそうよ。鏡面の水盤が灯りを落としたこの場所まで)

そのままの、
今のままの触れる感覚があるうちに、
はしゃぐように、
手を鳴らそう。爪は隠して。
その時間を、
魚が楽しみにしていたかのように、
逆巻こうとする水盤は、

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