猫といっしょ。/鯨 勇魚
 


曇った硝子窓の向こうは、
憶えているから。

あたしは、ブランケットで身を包みながら、探し物。
集めたもの、星屑、蜂蜜。水煮の缶詰。
そして、おやすみなさい。の、
声を待っています。
ため息一つが、あたたかい事から思いだしてしまう、季節。
爪先で円を描く。窓辺にはシャム猫が指先を追って嬉しそうにして。
あたしは、ここから、ここまでの距離が、なんて、感覚でしかない。と、伝え際。

(ね、おほしさまって、こんなにも遠いの?)

さっきまで本当だった。それは、
今。すっかり冬の詩へと姿を変えてしまいます。

夜は。そっと指を伸ばして、
心に必要なものを撫でるか
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