今日は秋刀魚/湾鶴
今日はサンマだ
2匹 氷詰めから取り出して
プリカの海のように煌く背中に
見惚れ ため息ついた
そのエメラルドの体を
燃える炭にて炙りだし
したる したたる し たたる
青白き日の思い出
トロトロの身からはもう
磯の香りは なくなって
頭から かぶりつke!と
いわんばかりにジリジリと唸っていた
気が付けば 苦い内臓と 弱弱しき骨が
のさばるばかりで
僕の夏休みも あぁこんな風だった
と 内臓を箸の先にのせてチビチビと
ゴールデンタイムも終わり
ニュウスの時間だというのに
食卓にはご飯もサンマの身もなくなって
青瘀の皿だけだというのに
いつまでも食っていたかった
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