カモノハシのパンセ5/佐々宝砂
一人合点で絶望するのはすごく損だとおもう。
一人よがりで有頂天になるのは、
かなり悲しいことだとおもう。
一人相撲で自分を責めるのは、
つらすぎるのでやめたほうが幸せだとおもう。
***
現実のわたしという個人は、べつにたいした人間ではない。等身大のわたしなんてつまんねーよー。つまんねーけど、とりあえずわたしはまあわりと幸せだし、なんと驚いたことにわたしは自分が嫌いではない。わりと、すきだ。わたしにはわたしが大切だ。でもそれと別な次元で、わたしなんぞは実にどーでもいーささいなシロモノで、ゆえに、わたしの生活やわたしの個人的な感慨を記した詩なんかわたし以上にどーでもいーのである。
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