かなしいきもち/アンテ
り
きのえだからとびこんだりして
そのたび
しょっぱいしょっぱいとさけんだ
ひとり またひとりへって
とうとうぜんいんがなみだにしずんで
ふりしきっていたなみだのあめも
きがつくとやんでいた
くものいろがうすらいで
にしからやわらかいかぜがながれてきて
なみだがはいすいこうへすいこまれていって
にわのこうせいひんだったものが
しだいにすがたをあらわした
なにかかわってしまったのはたしかなのに
どれだけかんがえてもわからなかった
なみだでぐちゃぐちゃになったへやを
しかたなくかたづけていると
げんかんでよびりんがなって
しばらくあっていなかったひとがたずねてきた
まねきいれてはなしをしていると
つぎつぎとしりあいがたずねてきて
みんないえにあがりこんで
あちこちであてどないはなしがくりひろげられた
へやのかたづけをつづけながら
ときどきからだをやすめて
みんなのかおをみわたしてみても
どうしても
なまえがおもいだせなかった
戻る 編 削 Point(4)