かなしいきもち/アンテ
 

きのえだからとびこんだりして
そのたび
しょっぱいしょっぱいとさけんだ
ひとり またひとりへって
とうとうぜんいんがなみだにしずんで
ふりしきっていたなみだのあめも
きがつくとやんでいた
くものいろがうすらいで
にしからやわらかいかぜがながれてきて
なみだがはいすいこうへすいこまれていって
にわのこうせいひんだったものが
しだいにすがたをあらわした
なにかかわってしまったのはたしかなのに
どれだけかんがえてもわからなかった
なみだでぐちゃぐちゃになったへやを
しかたなくかたづけていると
げんかんでよびりんがなって
しばらくあっていなかったひとがたずねてきた
まねきいれてはなしをしていると
つぎつぎとしりあいがたずねてきて
みんないえにあがりこんで
あちこちであてどないはなしがくりひろげられた
へやのかたづけをつづけながら
ときどきからだをやすめて
みんなのかおをみわたしてみても
どうしても
なまえがおもいだせなかった



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