鬱な君へ 腐るほど愛/鴫澤初音
 


   誰にも 君は愛されるから

   私には必要ない って思うのね でもこれ どうよ?
   私は誰にも愛されないから 愛される人を見ていると
   胸が痛い ああはなれなかった自分を今更思い出すから

   だけどそれって どうよ?  負け犬だ 私


   だけど

   私だ って 生きているうちは

   視界に私は入らない 鏡さえ 見なかったら 
   そうでしょ? 見ているのは私から広がる 世界 それだけ 
   君は 私を愛せない きっと ずっと

   べたべたにした手の平を 笑って 眺める
   狂ったふりする いつのまにか 本物になった笑顔 で

   つま先歩きで 近づく 生きていくなんて 簡単
   プライドなんて 死んでいく 
   意味なんて 殺されていく  隙間で ひっそりと息を静めて

   死ぬまでの時間 数えてる

   だけ



   それって 愛? ふふ
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