"X"day/000
 
切り倒されたクリスマスツリーの下敷きになって
森の妖精が死んでしまった 其の朝に
僕は初めて君の名前を耳にする

赤い毛糸 手編みのマフラーを
聖火で燃やしてサンタクロースに信号を送る

駅前のイルミネーションは求愛ダンスをして
コートが無い僕の愚かさを嘲笑っているんだ

ベイビー ハロー ハロー
僕の名前を聞いてくれ
君のこゝろに刻んでくれ
僕の名前を呼んでくれ
君の声で溶かしてくれ

忘れてしまわないように 僕にも手錠をかけてくれ

サンタクロースが死んだ朝に―――なんて
誰かが声を枯らして歌っていた 其の夜に
僕は遂に君の名前を囁いた

ゴミ箱の中 破れた靴下は
暖炉の火で灰になってダダリオ・カマロがいる空に昇る

シャロン 冬の星は求愛ダンスをして
指先が冷たい僕の最後の良心を唆しているんだ

ベイビー ハロー ハロー
クリスマスツリーに愛を刻んだよ
空が溶けているよ
夜が終わる頃には僕の名前を憶えてくれ

手放してしまわないように 今すぐ僕を殺してくれ
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