鱗音/鴫澤初音
 
   手首から少しずつ剥がれていく
   鱗が

   ぱらぱらと 床に散っていく 雨が

   降り続いていた

   きらきら している 鱗の欠片が

   降り積もっていく
   私

   息をしていない

   


            立っていたバスルームで
            殴られた痕をゆっくりと撫でていた
            お湯のはらないステンレスのバスタブが
            足に冷たかった あなたは
            言った
           (僕ならやり方を考える)
            私は 言
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