秘匿された/鎖骨
だってお前は知らないんだから
滾る浪のおと騒ぐ砂の、細い細い細い嗚咽
とけないよその理想
いけないよあそこへは
きれいでありたがるお前の足では絶対に
見つけられない
黙れ、黙ってよ
そこここに満ちた靄が濃くなる
ほどけて抜け出したんだ、殻がなくなったから
開放された海馬体がつくる大気
いずれそうなることを知って、見て確かめたそれからは
どう思えばいいのかな
ずっと考えているんだ
いや、考えてはいないけど
とにかく煩いんだ
黙れ、黙ってくれ
何も教えようとしないで
自分の口が塞げないなら
わたしの口を
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