zero/manabe kenta
 
飛んでいた意識を呼び戻し


気付いた時には


独り取り残された


残ったものは


燃滓と半端な自由


暫く実感していなかった


静けさの寄固まった世界


失くしたものとひきかえに


渇いた夜空は


別世界みたいな暗い場所


テールランプは


赤く光った墓石のよう


声を挙げてもその音は


どこか遠くに吸い込まれてて


同じように、行ってしまった


そこには何も届かなくて


ただ一人


ただ独り


黒い世界にひとりきり


囲まれている














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