愛すること/わら
ろくな言葉も
みつけられなくなったのが
けっきょくの、こたえで
だれよりも苦しむことが
だれよりも己を押し殺すことが
誠実さだというのなら
ぼくは、きっと
だれよりもきみを想っていた
ずっと、ずっと、
想っていた
それだけは信じれる
きみから、不意に、
「あい」なんて言葉を聞いたときから
笑えるくらいに
哀れな運命に翻弄された後でさえ
泣きだしそうな空を振り切って
すれちがう、ほんのひとときも
ずっと、わらって
なにかをつくろっては
自分に問いかけつづけてきた
性も生命も
愛という名の姿も
正
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