血/
アンテ
うずくまったあたしの
膝や両手を
やわらかく受け止めてくれる
雑草が
なにもなかったように
風に揺れている
太陽の陽射しがまぶしい
川の流れが
かすかに聞こえてくる
名前を呼ぶ
喉から声を絞り出す
伸ばした指の先
光るものを
掴み取る
それはナイフだった
赤黒い血のついた
紛れもない
ナイフだった
連詩 観覧車
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