白い顔/こしごえ
 


最後まで
射しこむ視線
うっとりと透ける黄金の光に
浮かびあがる白い顔が沈黙をまもっている
一瞬間、

じゅうりんされた庭に
咲く血の花が
わたしの静脈でかおる午後

いくつもの告白を聴く耳が
枯れることのない青い空で
傾いていく雲のほとりを

しずけさがほう和する
空ろな求心力に
冴えてくる光神

さざなみが眠るころ
幻の月が
えん岸で まきを焼べる
さてさてにべもなく燃えてゆくすじ道
今晩は とあいさつをしても
日の暮れたほうを指さすばかり

、と
われにかえったような吐息
されど沈黙は破られず
一瞬のあとも……








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