姉という生き物/亜樹
ちらは随分飾りが派手だわ」
一ヶ月ほどして、画像つきでこんなメールが届いた。
大きなツリーの前で、彼女は笑んでいる。
彼女は家に連絡は入れていないらしい。そのまま実家のパソコンへと転送した。
母親は喜んだ。
ああ、元気でやってるのね、あの子。よかった。心配していたの。
「日本に帰りたくない。ねえ、あんた、一緒にかあさん説得してくれない?」
私の誕生日、アロマキャンドルの入った小包と一緒に、そんな手紙が入っていた。
胃がむかむかした。いっそ吐かなかったのが不思議だ。ローズの香りは私に合わない。
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