僕はよっつの数列も覚えられない/だいたばし
 
彼女はなぜだか気付かない
たとえばときどき僕が抱く浮気心に。
ほんのいっしゅん抱くだけだけれど

彼女はたぶんぼくの詩を読めない
理解はできても
言葉のさけめから臭いたつ
臭気をかぎわけられない

だから
ここにいる誰よりも
僕のことを知らない、きっと。
僕が僕のことを知らないのと同じくらいに

彼女は僕のことを知らないだろう
僕が持っている
役立たずの心のことも
ぜんぶ

このことを想うと僕は泣きたくなる
愛していると鼻がかってに泣くんだわかるかい
そして死ぬまで一緒にいたいと
思う
だってわかりあえないんだ
わかる?

わかりあえないことは
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