重ね/鴫澤初音
 


  
      お姉さんが人差し指で 背中に書いた 文字


   朝

   夜

   朝

   夜

    
   いつも一緒だった 

   過ぎていく日々   あちこちにできた青い痣 それだけが

               増えたり 消えたり 変わっていった

   
   日差しが開けた眼に 少し痛かった 白く 花びらが

      
                      朝日に 溶けていった 悲鳴
戻る   Point(4)