ゆりかごと少年/エチカ
少年が泣いていました
つばのある帽子でしたが、ガラスにぶつかって
へにゃりと泣くのが印象的で
忘れもしない
月曜日
誰もいない観覧車
あの小さなゆりかごに
私たちは別々のBOXのなかで
ただただ座っていたのです
枯れてゆく落ち葉を足に
ふわりと流れる光を背に
私たちは
風が紡ぐ子守唄に
ゆらりゆらりと揺れたのです
どこかでニュースが流れています
ひゅーひゅーひゅるり
ひゅるりらら
ひゅるひゅるひゅるりひゅるりらら
雨の日曜日に死にました
どうしようもない母でした
何度も何度も死んで欲しいと
そう、願った
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