ふたりのロンド/哀詩
 
 

今は何もきかない
それはあなたを想ってだとか、
そういう風にいえれば格好良いのだけれど
あたしまだそんな小粋な女を演じられる程経験もない
ただ今きけばあたしが崩れそうで、こわい。
それだけ。


冬のうみべはとりのこされていて
かわいていて、潮風も
なぜかからまわりしていくの
つれないあなたのほおを触れば、そこから
きっと世界は崩壊していく、
そんなロンド


ギター 一本であいにいくね
きみへの想いはきゃんばすにはのらない
空気を媒体としてとけあおう、ふたり。


電子的なピクセルだとさぁ、
この気持ちのすべてはつたわらない
紙の上のインクでは
表せない、表現力の欠如。


君の一部となっていく酸素になれたらよかった
かなわないから近付きたいとおもってしまうんだ。


6弦をかすめる僕の指が今日は
きみにとどけばよいとねがっているよ。

 
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