かたちづくる もの/鴫澤初音
 
  ぽきぽきと折れていく 足


  友人たちがしんどいと言いながらも 確かに生きているように
  私は道を歩めなかった 
  皆 ゆっくりだらだらとそれでも疲れた顔を上げて
  走っている
  川辺は緑が茂って 川面に鳥たちが羽を休めてとまっていた
  幾本もの足が交差して 動いていた その上に
  友人たちの 美しい顔 

  恋人との一年半続いた交際
  分り合えたとか分り合えなかったとか そんなのどうでもよくて
  ただ心が休まった それでも 
  これからもずっと一緒に生きていくとは 思わなかった


  いつも考えていた ―――


  何か聞い
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