やさしいおもいで/hope
 

 
 
 
ふらつきながら繰り返した。
あなたの、その仕草だけが残ってる。
新しい季節は、私だけを置いてゆくけれど、終わらない季節の始まりは、いつだって私に優しいの。

 遠い、遠いよ。

思い出だけが、どんどん綺麗になってゆくのね。
立ち止まったまま、手を振る私は、ちゃんと、笑顔になれていますか。

 内緒だよ、
 秘密だよ、

暗いから見えないんじゃないの。
暗いから怖いの。

本当は、それだけじゃない。
耳鳴りが、頭の中でずっと鳴り続けているの。
だから、なにも聞こえないの。
だから、
あなたの、その仕草だけが残ってるの。





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